平均寿命と健康寿命について
【平均寿命と健康寿命の差とは】
現在、『100年人生』と言われています。
最近では"健康寿命"という言葉が盛んにクローズアップされています。
健康寿命とは"健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活
できる期間"のことを指します。
◆平均寿命
男性:80.21歳
女性:86.61歳
◆健康寿命
男性:71.61歳
女性:74:21歳
男性9.02年、女性12.4年の開きがあります。
つまり、寿命を迎えるまでの約10年間は他人の手を借りないと生活ができない人が大勢いるということになります。
この状態が長期すると、介護施設や医療施設などの方々のサポートが必要不可欠になり、介護費や医療費の負担が発生するという事になります。
その問題の解決策は下記の2つ。
"柔軟性を上げる”
"季節に応じたカラダづくり”
【柔軟性を上げる】
柔軟性は主に体力の一要素であり、筋肉と腱が伸びる能力のことを指します。
動きのしなやかさだけでなく、傷害の予防などにも関係してきます。
柔軟性は筋肉と腱が伸びる能力のことで、筋力・瞬発力・持久力・調整力とともに基本的な
運動能力のひとつと位置付けられています。
身体が柔軟性を持ってしなやかに動くには、「可動域が広い」ことが条件です。
可動域が広いと、プレー中に無理な体勢になったときにも、リカバリーしやすく怪我をしにくいことがメリットの一つとしてまずあげられます。
そして次に、身体の可動域が広いと筋肉の本来の性質を使って、しなやかなバネのように身体を使うことができます。
例えば、現役メジャーリーガーの大谷選手やサッカーのネイマール選手など、世界で活躍しているスポーツ選手をみていると、十分に身体のバネを使ってプレーしていることがわかります。
ゴルフやサッカーは特に身体をひねってから四肢を振り下ろす動作の中で、ボールに対してインパクトを与えますが、身体の可動域が大きいとそのひねりの動作も大きくなり、力を最大限に伝えやすくなります。
さらに柔軟性がつくと、血流の流れが良くなり、体内の酸素や栄養分が滞りなく行き届くので、代謝が上がります。
日常生活でたまった老廃物や疲労物質などは、血液に乗って運ばれ分解されます。
このサイクルが生まれると、血行が良くなるとこの循環が早くなるので、疲労回復に効果があります。
反対に柔軟性が低下してしまうとさまざまなデメリットが上がって来ます。
筋肉が常に緊張した状態が続き感覚が鈍くなります。
さらに、血圧が上昇し、無駄なエネルギーの浪費や血行不良が生じます。
その結果、症状の慢性化やその他多くの疾病にかかりやすくなり、病的な疲労や痛み、苦痛を感じやすくなります。
痛みを感じると、ますます筋肉の緊張度は増し、さらなる痛みを引き起こすという非常に悪循環なサイクルを引き起こします。
この悪循環なサイクルを起こした筋肉では、しばしば発痛点が見られます。
発痛点とは「ピンと張りつめた帯状の筋肉組織の小結節の中の、鋭敏で興奮性の高い局所的な点」であり、しこりのような筋肉のかたまりのことをいいます。
発痛点は、本来筋肉の伸びる能力を制限し、硬くしたり、弱くしたりして、関節可動域を制限する傾向にあります。
以上のような筋肉の状態は、筋肉の病気である、"筋・筋膜症候群"といわれます。
この病気に対して最適な治療は筋肉をリラックスさせることです。
筋肉の緊張を減少させる薬物療法よりもストレッチの方が効果的であるといわれています。
【季節に応じたカラダづくり】
日本には四季があり、ヒトは季節に応じて活動をしています。
身体作りも一緒で季節によって疲れやすい筋肉や臓器が変わリます。
【春】
筋肉:ハムストリング、中臀筋、小臀筋、前脛骨筋
臓器:肝臓、胆のう
運動器:腱(瞬発力)
機能:瞬発系
経絡:肝経、胆経
五味:酸味
【夏】
臓器:心臓、小腸
運動器:血液、体液
機能:筋肉・関節の連動性を高める
経絡:心臓経、小腸経
五味:苦味
【晩夏】
臓器:脾、胃
運動器:筋肉
機能:筋肉を鍛える
経絡:脾経、胃経
五味:甘味
【秋】
筋肉:大胸筋、小胸筋、腹直筋、腹斜筋
臓器:肺、大腸
運動器:皮膚、心肺機能
機能:持久力を鍛える
経絡:肺経、大腸経
五味:辛味
【冬】
筋肉:脊柱起立筋、広背筋、
臓器:腎臓、膀胱
運動器:骨
機能:ボールや道具のタッチ間隔(巧緻性)
経絡:腎臓経、膀胱経
五味:鹹味
上記であげたものはPNF(固有受容性感覚器神経筋促通法)と東洋医学の理論を融合させたものです。
PNFとは、固有受容器を刺激することによって、神経筋機構の反応を促通する方法と定義され、末梢神経疾患のみでなく、中枢神経疾患の治療としても用いられることが大きな特徴であります。
固有受容器とは、位置、動き、力の受容器のことで、関節包の受容器、靭帯の受容器のほかに、筋紡錘、腱紡錘、関節上の皮膚の動き受容器をさし、これらの受容器の刺激の方法として、ストレッチ&トレーニングがあげられます 。
この理論をベースにストレッチやトレーニングに活用し、筋バランス、柔軟性、敏捷性をはじめとする神経や筋の働きを高め身体機能を向上させるため、多くの一般の方やスポーツ選手に利用されている運動療法です。
そしてもう一つの東洋医学(五行論)は自然を構成する基本要素を木・火・土・金・水の5つに分け、それぞれの関係性と秩序を説いたものです。
五行の秩序をつくる関係性は相生と相剋と言われる原理です。
相生は母子関係(木→火→土→金→水:相互に助け合う関係)であり、相剋は剋する関係(木→火→土→金→水:相互に制御する制御し合う関係)です。
たとえば、この五行に臓腑を割り当てると、木は肝、火は心、土は脾、金は肺、水は腎となり、臓腑の関係は相生と相剋で説明できるようになります。
相生では「肝は心の母であり、心を養い育てる臓」となります。
したがって、心が弱っているときはその母である肝を補うように治療します。
一方、相剋では肝は脾を剋する関係であり、肝気が高ぶっている場合は脾を必要以上に剋し、消化器症状(脾の臓は消化器系に相当)を引き起こします。
このような場合は、肝気をしずめ、脾を剋することを改善するように治療をするなど、そのときの状態によって治療法を変えておこなうのが特徴です。
今回あげた理論をベースに健康増進へつながるストレッチを行っていけば、年間を通して健康な身体を維持する事ができるようになります。
人間には本来の動作があり、その動作が正常であることによって日々の生活での支障や
運動時での怪我をしなくなるのです。
その為には身体は柔らかいに越した事はありません。
身体を鍛える際も筋肉だけに着目するのではなく、季節に応じたカラダづくりを今後はしていく必要があると私は思います。
この取り組みが平均寿命と健康寿命の差が縮まることが現実として表に現れる日はそう遠くはないと思っています。